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感冒(かぜ)

お子さんが急に熱を出したり、鼻水や咳が止まらなくなったりすると、ご家族はとても心配になると思います。

感冒の症状について

感冒(かんぼう)とは、いわゆるかぜのことです。小児科の診療において最も頻度の高い疾患の一つですが、お子さんの場合は大人と違って症状が急激に変化したり、自分の言葉で不調を伝えられなかったりすることが多いため、注意深い観察が必要です。代表的な症状には以下のようなものがあります。

発熱

お子さんのかぜで最も多い主訴です。ウイルスと戦うための正常な防衛反応ですが、高熱が出ると体力を消耗しやすくなります。熱の上がり始めには寒気で震えたり、手足が冷たくなったりすることがあります。詳細な対応については「発熱」のページも併せてご覧ください。

咳(せき)と痰(たん)

気道に入った異物などを外に出そうとする反応です。お子さんは気道が狭いため、少しの炎症でも咳が出やすく、夜間にひどくなることがあります。咳が長引く場合は「気管支炎」のページの内容に該当する可能性もありますので、早めの受診をお勧めします。

鼻水と鼻づまり

最初はサラサラした透明な鼻水ですが、次第に粘り気のある黄色や緑色に変化することがあります。鼻づまりがひどいと、ミルクの飲みが悪くなったり、眠りが浅くなったりして、お子さんの機嫌を損ねる原因になります。鼻炎の症状が強い場合は「鼻炎」のページも参考にしてください。

喉の痛み

喉が赤く腫れて痛みが出ます。言葉を話せない赤ちゃんの場合、食事や飲み物を嫌がる、唾液を飲み込まずによだれが増えるといった様子でサインを出すことがあります。

消化器症状

ウイルスが胃腸に入り込むと、腹痛や下痢、嘔吐を引き起こすことがあります。これを一般的に「お腹のかぜ」と呼ぶこともあります。便の様子が気になる方は「便通異常(便秘、下痢)」のページも参照してください。

感冒の原因について

感冒のおよそ80から90パーセントは、ウイルス感染が原因です。かぜを引き起こすウイルスは200種類以上あると言われており、一度かかっても別のウイルスによって再びかぜを引くことがよくあります。特にお子さんは免疫が未発達なため、ご家庭や、保育園、学校などの集団生活の中で次々といろいろなウイルスに感染しながら免疫を獲得していきます。

感染経路としては、主に以下の2つが挙げられます。

①飛沫感染(ひまつかんせん)・・咳やくしゃみによって飛び散ったウイルスを直接吸い込むことで感染します。

②接触感染・・ウイルスがついたドアノブや手すり、おもちゃなどを触った手で、自分の口や鼻に触れることで体内にウイルスが入ります。

季節によって流行するウイルスが異なるのも特徴です。冬場にはインフルエンザやRSウイルス、夏場にはアデノウイルス(プール熱)やコクサッキーウイルス(手足口病など)が流行しやすくなります。

感冒の病気の種類について

「かぜ」と一言で言っても、原因となるウイルスや症状の出方によっていくつかの種類に分類されます。

普通感冒(かぜ症候群)

ライノウイルスやコロナウイルス(季節性)などが原因で起こる、最も一般的なかぜです。鼻水や咳、軽い喉の痛みが中心で、通常は数日から1週間程度で自然に回復します。ただし、小さなお子さんの場合は肺炎などに進行しないか見守る必要があります。

インフルエンザ

インフルエンザウイルスによる感染症で、急激な高熱、全身の倦怠感、関節痛などが特徴です。感染力が非常に強く、集団感染の原因となります。詳細は「季節性インフルエンザ(A型、B型)」のページをご確認ください。

新型コロナウイルス感染症

従来のウイルスとは異なる特徴を持つことがあります。お子さんの場合、無症状や軽症で済むことも多いですが、周囲への感染源となる可能性もあります。当院の対応については「新型コロナウイルス感染症」のページをご覧ください。

RSウイルス感染症

乳幼児に多く見られる感染症です。鼻水から始まり、次第にひどい咳や「ゼーゼー」という呼吸音が混じるようになります。

「喘息様気管支炎」のページも参考になります。

アデノウイルス感染症

高熱が長く続くのが特徴です。喉の痛みや結膜炎(目の充血)を伴うこともあり、通称「プール熱」とも呼ばれます。

 

感冒の治療法について

いろいろなウイルスによる感冒の場合、そのウイルスを直接退治する特効薬は(インフルエンザなどを除き)基本的にはありません。そのため、治療の中心は「自分の力で治るのを助ける」ための対症療法となります。

お薬による治療

症状を和らげるためのお薬を使用します。お子さんの年齢や体重に合わせて正確に調整いたします。

  • 解熱鎮痛剤・・高熱でぐったりしているときや、喉の痛みで水分が摂れないときに、熱を下げて痛みを和らげます。
  • 去痰薬(きょたんやく)・・痰の粘り気を取って出しやすくし、咳を鎮める手助けをします。
  • 鎮咳薬(ちんがいやく)・・咳がひどくて眠れない場合などに処方しますが、お子さんの場合は痰を出す反応を止めすぎないよう慎重に使用します。
  • 抗ヒスタミン薬・・鼻水を抑えるために使用しますが、眠気が出ることがあるため注意が必要です。
家庭でのケア

お薬と同じくらい大切なのが、ご家庭での安静と環境作りです。以下の点に気をつけてあげてください。

  • 水分補給・・発熱や下痢、嘔吐があると脱水症状になりやすいため、経口補水液や麦茶などでこまめに水分を与えてください。
  • 加湿と室温調節・・乾燥すると喉の痛みが悪化します。できれば加湿器などを使って50から60パーセント程度の湿度を保つのが理想的です。
  • 食事・・食欲がないときは無理に食べさせず、ゼリーやスープ、うどんなど、消化が良く喉越しの良いものを選んでください。
抗生物質について

感冒の多くはウイルスが原因であるため、細菌を退治するための抗生物質(抗菌薬)は通常効きません。しかし、症状が長引いて中耳炎や副鼻腔炎、細菌性肺炎などの二次感染が疑われる場合には、抗生物質を処方することがあります。処方された場合は、指示された日数分を最後まで飲み切ることが大切です。

感冒についてのよくある質問

Q1. 熱が何度あったら受診すべきですか?

A1. 数字だけでなく、お子さんの様子をよく観察してください。38度以上の熱があっても、水分が摂れていて機嫌が良いなら、翌朝の受診でも構いません。逆に37度台でも、ぐったりしている、顔色が悪い、呼びかけへの反応が鈍いといった場合は、早急な対応が必要です。

Q2. かぜの時にお風呂に入れても大丈夫ですか?

A2. 高熱があるときや、ぐったりして元気がないときは避けたほうが無難です。熱が下がってきて、本人の食欲もあり元気なら、短時間の入浴やシャワーであれば問題ありません。ただし、湯冷めをしないよう手早く済ませて、すぐに髪を乾かしてあげてください。

Q3. 兄弟がかぜを引いています。移らないようにするにはどうすればいいですか?

A3. 可能な限りお部屋を分けることが理想ですが、現実的には難しいことも多いでしょう。こまめな換気と、ご家族全員の手洗い・うがいを徹底してください。また、おもちゃやタオルの共用を避けることも有効です。

Q4. 鼻水だけなのですが、受診しても良いでしょうか?

A4. もちろんです。鼻水や鼻づまりが続くと、中耳炎を引き起こしたり、夜の睡眠が妨げられて体力が落ちたりすることもあります。早めに対処することで、症状の悪化を防ぐことができます。

院長より

お子さんがかぜを引くたびに、お父さんやお母さんは「自分のケアが悪かったのではないか」と心を痛めてしまうこともあるかもしれません。しかし、お子さんたちはかぜを引くことで自らの免疫力を高め、少しずつ強い体を作っていきます。

当院ではそんなお子さんの成長過程を、同じ地域の一員として支えていきたいと考えています。

具合の悪いお子さんを抱えておられる時間は大変なものです。かかりつけ医として、これからもお一人おひとりに寄り添った医療を届けてまいります。

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