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急性胆のう炎(胆管炎)

急性胆のう炎や胆管炎は、消化器疾患の中でも比較的頻度が高く、かつ迅速な対応が必要となる病気です。急に右側のお腹が激しく痛んだり、高い熱が出たりする症状でお悩みの際はご相談ください。

急性胆のう炎(胆管炎)の症状について

急性胆のう炎や胆管炎の症状はあるとき突然現れることが多く、特に食事の後に痛みが出やすいという特徴があります。

急性胆のう炎で最も特徴的な症状は、右季肋部痛と呼ばれるお腹の右上の痛みです。最初は「みぞおち」のあたりが痛むこともありますが、次第に右の肋骨の下あたりが激しく痛むようになります。この痛みは、背中や右肩に広がることもあり、これを放散痛と呼びます。痛みは持続的で、数時間以上続くことが珍しくありません。

発熱と寒気

炎症が強くなると、高い熱が出ることがあります。特に「急性胆管炎」の場合は、細菌感染の影響で38度以上の高熱や寒気(戦慄)を伴うことが多く、全身状態が悪化しやすい傾向があります。

黄疸(皮膚や目が黄色くなる)

胆管炎などで胆汁の流れが滞ると、胆汁に含まれるビリルビンという成分が血液中に増え、黄疸が現れます。白目の部分が黄色くなったり、尿の色が濃い茶色のようになったりします。

吐き気と食欲不振

激しい痛みとともに、吐き気や嘔吐を伴うことがよくあります。胃のあたりの不快感が強いため、食事を摂ることが困難になります。特に脂っこいものを食べた後に症状が悪化するパターンが多く見られます。吐き気が強い場合は脱水症状にも注意が必要です。

急性胆のう炎(胆管炎)の原因について

急性胆のう炎や胆管炎がなぜ起こるのかを知ることは、予防や早期発見において非常に重要です。その原因のほとんどは「胆石」に関連しています。

胆石による出口の閉塞

急性胆のう炎の約9割以上は、胆のうの中にできた石である「胆石」が原因です。胆のうの出口(胆のう管)に石が詰まってしまうことで、胆のうの中の圧力が上がり、粘膜が傷ついて炎症が起こります。石が詰まった状態に細菌感染が加わると、炎症はさらに悪化し、重症化する恐れがあります。

胆石についての詳細は「胆のう結石症(総胆管結石)」のページを参照してください。

胆管への細菌感染

胆管炎の場合は、総胆管という胆汁の通り道に石が詰まったり、腫瘍などで通り道が狭くなったりすることで、停滞した胆汁に腸内細菌が繁殖して起こります。胆管は肝臓とつながっているため、ここでの炎症は全身に菌が回る敗血症という危険な状態を招くリスク因子となります。

その他の原因

胆石以外にも、以下のような原因で炎症が起こることがあります。

  • 胆のうポリープによる閉塞(稀なケースです)
  • 胆道系の腫瘍(胆のうがんや胆管がんなど)
  • 大きな手術後や全身状態の悪化に伴う血流不全
  • 寄生虫や先天的な胆道の異常

胆のうポリープが気になる方は「胆のうポリープ」のページを参照してください。

急性胆のう炎(胆管炎)の病気の種類について

急性胆のう炎

胆のう自体に炎症が起きる病態です。炎症の程度により、軽い浮腫(むくみ)から、壁が腐ってしまう壊疽性胆のう炎、膿が溜まる胆のう留膿腫などに分類されます。初期段階で治療を開始できれば予後は比較的良好ですが、放置すると腹膜炎などを引き起こす可能性があります。

急性胆管炎

肝臓から十二指腸へ胆汁を送る「胆管」に炎症が起きる病態です。胆のう炎よりも全身への影響が大きく、緊急性が高いのが特徴です。高熱、黄疸、右腹部痛の3つが揃う「シャルコーの3徴」が有名ですが、重症化すると意識障害や血圧低下を伴う「レイノルズの5徴」と呼ばれる状態になります。

慢性胆のう炎の急性増悪

もともと胆石などがあり、軽い炎症を繰り返していた(慢性胆のう炎)ところに、急激に強い炎症が重なる状態です。胆のうの壁が厚く硬くなっており、手術などの処置が通常よりも難しくなる場合があります。

無石胆のう炎

胆石がないにもかかわらず、大きな怪我や火傷、大きな手術の後などの全身状態が悪いときに発症する特殊な胆のう炎です。早期発見が難しく、壊死(組織が死んでしまうこと)が進みやすいため、非常に注意が必要な病態です。

急性胆のう炎(胆管炎)の治療法について

急性胆のう炎や胆管炎の治療は、炎症を鎮める「内科的治療」と、原因を取り除く「外科的・処置的治療」を組み合わせて行います。当院では診断後、必要に応じて適切な高度医療機関への紹介を迅速に行っています。

全身管理と抗菌薬投与

まずは絶食として消化管を休ませ、点滴で水分や電解質を補給します。それと同時に、原因となっている細菌に対して有効な抗菌薬(抗生物質)を点滴で投与し、炎症を抑えます。軽症の胆のう炎であれば、これらの内科的治療だけで症状が落ち着く(寛解する)こともあります。

胆のう摘出手術(外科的治療)

急性胆のう炎の根本的な治療は、胆のうそのものを摘出することです。現在は、お腹に小さな穴を開けて行う腹腔鏡下胆のう摘出術が一般的です。炎症が起きてから(発症から72時間以内など)手術を行うことが推奨される場合が多いです。

胆道ドレナージ(処置的治療)

胆管炎や重症の胆のう炎で、胆汁が滞って膿が溜まっている場合、その膿を外に出す「ドレナージ」という処置が必要です。内視鏡を使って十二指腸側からチューブを通したり、お腹の外から針を刺してチューブを留置したりする方法があります。これにより劇的に全身状態が改善することが期待できます。

当院での検査とアプローチ

  • 血液検査・・炎症反応(CRPや白血球数)、肝機能、胆道系酵素の数値をチェックします。
  • 腹部超音波(エコー)検査・・胆石の有無や胆のうの壁の厚み、周囲の液体の貯留をリアルタイムで確認します。
  • 視診・触診・・お腹の痛みの場所や程度を慎重に確認し、他の急性腹症との見極めを行います。

緊急を要すると判断した場合は、速やかに連携病院へ紹介し、治療のタイミングを逃さないよう配慮しています。

急性胆のう炎(胆管炎)についてのよくある質問

Q1. 胆石があれば必ず胆のう炎になりますか?

A1. 胆石を持っている方全員が胆のう炎になるわけではありません。石があっても症状が出ない「無症状胆石」の方も多くいらっしゃいます。ただし、一度でも痛み(胆石発作)を経験したことがある方は、将来的に急性胆のう炎を起こすリスクが高いため、定期的な経過観察や予防的な治療を検討することが大切です。

Q2. 胆のうを摘出してもその後の生活に影響はありませんか?

A2. 胆のうは胆汁を一時的に蓄える袋ですが、摘出しても肝臓で胆汁は作られ続けます。手術直後は脂っこいものを食べると下痢をしやすくなることがありますが、多くの場合、体はやがて慣れていき、術前とほとんど変わらない生活を送ることができるようになります。

Q3. 治療期間はどのくらいかかりますか?

A3. 炎症の程度により異なりますが、入院して抗菌薬治療や手術を行う場合、1週間から10日前後の入院が必要になることが一般的です。

Q4. 胃薬を飲んでも治りませんか?

A4. 胆のう炎や胆管炎による痛みは、一般的な胃薬では改善しません。みぞおちの痛みとして感じるため胃痛と勘違いしやすいのですが、強い痛みや発熱を伴う場合は、速やかに受診してください。

院長より

急性胆のう炎や胆管炎は、早めに対処すればコントロール可能な病気です。一方で「ただの腹痛だろう」と我慢してしまうと、重症化して長期の入院が必要になることもあります。

お腹の痛みや不快感にお困りの際は当院へお立ち寄りください。

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